会社の福利厚生の一環として企業型の確定拠出年金に加入できる企業も非常に多いと思います。僕は今の会社に転職するまで企業型拠出年金に加入していませんでしたので、約2年前に企業型確定拠出年金に加入しました。ですが、その時に何も勉強せず適当に商品を選んでいました。
ここ半年で将来のお金の対策について勉強したり、金融について勉強したりすることでその時の適当な選択を、非常に後悔しています。
その理由は以下のキャプチャに詰まっています。これは僕の会社が加入している金融機関の企業型拠出年金の管理画面です。
2022年10月の法改正でiDeCoに加入できることが会社として決まり、その時すぐに2021年1月から運用していた商品の見直しを行いました。
それは9月ごろだったのですが、その時なんと定期預金の商品を選択しており”当たり前ですが”会社と僕が拠出した約30万円ほぼ増えていませんでした。
しかしながら、外国株式の『三菱UFJ DC海外株式インデックスファンド』という商品に預け替え(移管と同義で既に運用していた商品から別の商品を購入すること。スイッチングとも言います)を行なって半月ほどで16,586円の評価損益が発生しました。
一体全体何が言いたいんだよ!!
会社員の方でこれから企業型拠出年金の他にiDeCOも加入する!と言う方は非常に多いと思うのですが、その際にすでに加入している企業型拠出年金の方もしっかり見直しして預け替えを行いましょう。
(iDeCoに加入するような方は基本的にリテラシー高いと思っていますが、そっち見直していなかったと言う方も少なからずいらっしゃると思いますので。)
もくじ
本記事を読んでいただきたい方
- 会社員の方でこれからiDeCoに加入するけど、すでに入っている企業型拠出年金( DC)で商品を選び直していない方
- iDeCoにはまだ加入する予定がない(できない)けど企業型拠出年金でなんの商品を選んだらいいかわからない方
こんな方に本記事を読んでいただきたいのですが、会社勤めしてるけどそもそも会社で企業型拠出年金に加入しているかわからないという方もいらっしゃると思います。そんな方はぜひ、人事部や総務部の方(給与系の部署)に「うちの会社って企業型拠出年金加入してますか…?」と勇気を持って聞いてみましょう。
本記事の結論
サラリーマンは忙しい職業。企業型拠出年金の簡単な知識はもっているし、早くどうしたらいいのか教えてほしいという方のために結論から先に書かせていただきます。
企業型 DCの商品の選び方Point3
外国株式100%(できれば米国株)の運用割合設定を行う
運用スタイルはパッシブ
信託報酬(手数料)は年率0.3%以下を目安に
結論、僕の勤めてい会社で加入している金融機関で選択できる商品の中で、上記3点に当てはまるものは『三菱UFJ DC海外株式インデックスファンド』しかありませんでした。ですので、僕はここに100%毎月買い付けができるような設定にしています。
企業型拠出年金とは
企業型確定拠出年金(企業型 DCとも言います)は企業が従業員の代わりに年金を積み立ててくれ毎月積立を行なってくれるものです。
企業型 DCは従業員が自動的に加入する場合と、企業型 DCに加入できるかどうかを選択できる場合があります。
(一方で個人で拠出を行う確定拠出年金のことを個人型拠出年金といい、これが皆さんのよく聞くiDeCoです。)
企業型 DC加入の目的
そもそもその名称に年金とつくだけあって、従業員の老後の生活をより豊かにするために、「企業が」選択的に導入する年金となっています。
企業型 DCがなければ、会社員の皆さんは基本的には厚生年金や国民年金の公的年金のみで老後の資金を捻出していくことになるのですが、企業型 DCに加入している企業にお勤めの会社員の方は企業からも年金が支払われるということになります。
ただし、これは企業型拠出年金の従業員に対するデメリットでもあるのですが、うまく商品選択を行わないとその成績によって受け取る年金・一時金が変動してしまうということも考えられます。そのため、企業型 DCの運用商品はしっかり選ぶことが必要です。
運用商品の種類
企業型 DCで運用できる商品には大きく分けて2つあります。
1.元本が確保されていない商品(投資信託)
2.元本確保型商品
冒頭でご紹介した僕の失敗エピソードでご紹介した定期預金はこの元本保証型商品に当たります。僕の会社で加入している三菱UFJ信託銀行では期間が1年3年5年と3種類から選択できるのですが、全てにおいて適用金利及び保証金利が0.002%程度となっていました。
そりゃ1年半の間でほとんど増えていないわけです…。
もちろん全ての株価が大暴落してしまうようなことになれば、大損をこいてしまうので元本確保型の方が安心であるという考え方もあるのですが、そんな事態の時にまともにお金を分配できる金融機関はあまりないと思います。ですので、元本確保型を選ぶメリットは全くと言ってもいいほどないと思っています。
運用商品カテゴリーについて
これは投資信託の商品リストの例です。iDeCoやNISA系で選択できる商品より非常に種類が少ないのが特徴的です。
どの商品カテゴリーを選択すべきか
選ぶべき時カテゴリーは株式投資一択です。株式は長期投資に非常に向いていますし、1番安定して成長しているものです。通過・金・長期(短期)国債など様々な投資先がありますが、これらの中で歴史的にみても最も安定して成長しているのは株式となっています。
株式が安定的に上げり続けるのは理由があって、これは経済が成長しているからです。世界の人口推移を見て分かる通りどんどん人口は増えていますから、これからも経済は成長し続けるといえるでしょう。
運用スタイルは?
これは冒頭の結論でもお伝えしたとおり、パッシブを選ぶべきです(上のリストのカテゴリ・商品名の右にくる項目ですね)。種類はパッシブとアクティブの2種類ですが、パッシブは指数連動型で低コストで運用可能なタイプと覚えていただくとわかりやすいと思います。
また、どんな指数に連動しているかなのですが、日経平均株価・TOPIX・S&P500・ダウ平均などと連動しており、これらの指数を参考にしているだけなので基本的に商品に対して人件費があまりかかりません。
そのため上のリストを見ていただいても分かる通り信託報酬が抑えられているというわけです。
アクティブは能動的な、という意味ですがこれは反対に上記の指数を超える運用を目指すため人件費が非常にかかります。
ただし、人がアクティブに運用した実績よりパッシブで運用した実績の方が結果が良かった統計も出ており、ぜひパッシブを選択したください。
信託報酬手数料について
基本的にパッシブを選んでいただければ信託報酬を選んでいただければいいのですが、同じようなカテゴリでも1.0%近く手数料率が異なる場合があります。以下に月1万円を25年間積立し年率6%で運用した時のシミュレーションを置いてみました。
手数料0.3%の場合、25年間で元本300万円が約665万円になります
手数料1.5%の場合、25年間で元本300万円が約555万円になります
というわけでなんと、25年で110万円も差がついてしまうのです。たかが1.2%違うだけでこれほど大きな差が出てくるというわけです。中古車だったら車1台買えそうですよね。
本日は企業型確定拠出年金の商品選びの重要性とその根拠について説明させていただきました。
これから企業型 DCに加入する新入社員の方や、適当に商品を選んでしまっていた方は、この考え方を元に早速金融商品の買付をやり直しましょう。